ワダイbyジェクトワン

「空き家?だったら活用すればいいじゃん!」 スタッフ山下が伝えたい、アキサポ事業の根底にある発想の転換

2020.12.17

今回は空き家活用事業アキサポ」を手がける、株式会社ジェクトワン・地域コミュニティ事業部の営業担当:山下が、本事業に携わって感じた課題や考えをとことん語りつくします。

所有者が空き家に対して感じるイメージは「〇〇がかかりすぎてしまいそう」⁉

——まずは自己紹介をお願いします。

山下:地域コミュニティ事業部で「アキサポ」の営業担当をしております、山下と申します。弊社ジェクトワンでは主に3つの事業、開発・リノベーション・空き家活用、を柱に取り組んでいるのですが、そのうちのひとつである「空き家・空き店舗の活用」という事業部に携わらせていただいています。

——具体的には、どういった事業内容になるのでしょうか?

山下:「空き家活用サポート(以下、「アキサポ」)」では、実家を相続したり、自分自身が引っ越しして使わなくなったりして困っていた空き家を活用させていただいております。所有者様が抱く空き家に対するネガティブなイメージの一番は、金銭問題です。自身で活用・運用するには、お金がかかりすぎてしまうのではないかという不安があり、活用したい気持ちがあってもそのまま放置をしてしまうという状態が多いと統計で出ております。

(出典:「独自調査から判明。空き家問題に関するよくある勘違いとは?」参照)

——たしかに生活のなかで余分な出費になってしまうかもしれないという不安はあるかもしれませんね。

山下:そこで「アキサポ」では、そういった空き家の改修費用を弊社が全面負担をする代わりに、多少賃料相場よりも安くはなりますが、数年単位で一括借り上げさせていただいております。物件の特徴や地域特性に合わせてリノベーションを実施し、利用を希望される方に転貸する形をとっています。

——なるほど、賃料相場よりは安くはなるけれど、そのままにしておくよりは所有者に収入が入る結果になるんですね。

山下:そうなんです。今まで何も生み出さずに時が止まっていた場所が、地域に活かされる形で、かつ収入を生み出す資産に生まれ変わるんです。また、弊社との契約が終了した後は、経年変化はしていますがかつてよりは綺麗な形でリノベーションがされた状態で物件が戻ってくるため、そのままご自身で大家さん業を始めていただくこともできます。管理が難しいのであれば、管理業務を委託いただくこともできます。

お金を生み出すだけじゃない、空き家活用の生み出す新たな価値

——実際、空き家はどういった形で見つけられるものなのでしょう。

山下:最近はメディアに出ることが増えたので、その際に直接お問い合わせいただくことも増えましたが、大体は色々な業界からご紹介をいただくことが多いです。不動産事業者に限らず、駐車場、医療・福祉関係の方から、市場に出回っていないような情報をいただいています。私は営業として、そういった繋がりを多く作ることを主に、あとは前職での経験を活かして工事現場の施工管理等もしていることがあります。この業務に就いてからおおよそ1年程度経ちましたね。

——空き家活用というと、なかなかニッチな業界かとは思いますが、どんな思いで業務に携わっているのでしょう?

山下:空き家になるに至るには様々な背景があると思います。かつて実家で、思い入れがあって解体はしたくない、売りたくないとか。所有者様のお気持ちやご意向に向き合いつつ、建物をスクラップアンドビルドするのではなく、空き家を「活用する」という新たな切り口で応えることで資産化できる、その両方が実現できることに非常に有意義に感じています。どんな理由であれ放置してしまうと、資産価値はどんどん下がってしまうし、ご近所の迷惑に繋がる可能性があります。社会的な意味でも空き家の状態は減らしていくべきでしょう。人様の迷惑になるのではなく、地域のためになる形で活用されることで地域貢献に繋がる点も、お金だけではない価値を生み出せていると思っています。

実際に空き家・空き店舗を活用してみたら

——これまでどういった物件を具体的に活用しましたか?

山下:私が主担当で携わったのは、調布市のマンション地下駐車場や、山梨県甲府市の空き店舗等ですね。「アキサポ」は基本的には一都三県で対応しているのですが、ケースバイケースで物件を対応させていただくことがあります。私以外の担当が京都で活用した事例もあります。

——駐車場も取り扱われるんですね。

山下:そうですね。遊休不動産になってしまっているのは同じですから。

——それぞれの物件について教えてもらってもよいですか?

山下:調布市のマンションは、駅から近いがゆえに住民が駐車場を借りることがなくて困っていたという事例です。共同住宅では駐車場の附置義務があるので、設けなくてはいけないのですが、結局地域のニーズには合っていなかった。実際にとても良い立地の物件なのに、ガラガラでもったいないんです。

——その駐車場はどうされるんですか?

山下:弊社のかつての事例で高級バイクガレージへ活用することで、高稼働できた事例がありましたので、それをこちらの物件にも導入しようと考えています。住民が使わないなら、ゆとりのある空間を使いたい人に貸してしまえばよいという発想の転換をご提案させていただきました。今まさに開業に向けて動いているところです。

——もう1つの甲府市の事例は少し特殊そうですね。

山下:弊社で定期的に空き家活用に関するセミナー・無料相談会を開催しているのですが、そこでご来場いただいた方にご相談いただきました。物件は甲府駅にほど近い商店街の一角にある空き店舗で、良い立地にも関わらず5年ほど空き家で物置化していました。所有者様自身は現在他県にお住まいなのですが、生まれ育った甲府の街に思い入れがありました。お父様から受け継いだ家が空き家になってしまっているのが心苦しく、またこれを機会に街を盛り上げる一助になりたいとの思いがあったようです。

《当該空き店舗が所在する商店街》

今は所有者様にご協力いただき、綺麗なスケルトン状態なんですが、借り上げのタイミングがちょうど新型コロナウィルスの緊急事態宣言にかかってしまいまして…
落ち着いた段階で良い方に活用していただけると嬉しいのですが…。

——利用者募集にはどういった営業活動をしているんですか?

山下:弊社でお付き合いのある銀行に山梨の空き家活用を手掛けているまちづくり団体をご紹介いただきました。そういった連携・協力体制を整えています。過去には、先方が主催している空き家ツアーや見学会において、弊社で活用を行った物件を紹介していただいたこともありました。その時に都度利用希望の方がいるのですが、スケルトン状態だと費用感が合わず苦戦しています。甲府市自体では、色々な条件はあれど、まちづくりのために事業をしたい方への補助金や体制は整っているので、これからもめげずに利用者を幅広く募集していきたいですね。

——その他に苦労している点等はありますか?

山下:甲府市に関しては、渋谷から現場へ行くのが物理的に大変で、毎回行けるわけではないので提携業者様との連携が必要になる点ですね。また、コロナ禍で利用者側のニーズが見えない中で思い切ったリノベーションを先に行うことができない点です。早くこのコロナ禍が収まってほしいものです。

空き家に対するネガティブなイメージを発想の転換で変えていく

——このコロナ禍の状況下では、空き家・空き店舗化は増加していきそうですね。

山下:加速を止めることはできないと私も思います。ですが、そのままにするのではなく「活用すれば良いじゃん!」と発想の転換が当たり前になる風潮になってほしいと強く願っています。何も住居をそのまま住居にする必要もないんです。日本は今後ますます少子高齢化社会になっていくのですから、一つの拠点にずっと滞在するのではなく、色々な用途で場を変えていっても面白いのではないでしょうか。

——空き家には一つ一つに重い問題もありそうですが。

山下:その問題も、まずは専門家である私たちに相談してほしいですね。ぐちゃぐちゃに絡まった紐をそのままにしても仕方ないじゃないですか。一つ一つ向き合ってほどく作業をするだけです。私は不動産・建築業界に長くいますが、未だに初めてのケースに出会うこともあります。でも、それを一緒に寄り添って乗り越えていけばよいんです。ポジティブに行きましょう!

——空き家「活用」自体がスタンダード化していくとなると、他社との差別化も必要になってきそうですが。

山下:その点は他社とは内容が一線を画すと自信を持っています。私たちは先ほど申し上げた通り家をその用途そのままに転用するだけでなく、地域に合わせて活用をすすめています。街そのものが活気づく「拠点」をつくりハード面だけでなく、ソフト面も充実させることで街や人々の生活を豊かにしていく「価値ある場」に育てていくことを目指している点は、どの他社にも負けません。また、所有者様のお気持ち・ご意向にしっかり沿った形で対応できる柔軟性も自信があります。

——最後に空き家に悩まれている方にメッセージはありますか?

山下:自分の所有物件が空き家になってしまい、困っている理由は様々だと思います。何をどうすればいいのか分からない、そうなったら、まずはお気軽にお悩みをご相談いただけたらと思います。また、いまは問題がなくても将来空き家になるであろう予備軍の物件を所有されている方々に対しても、その将来について考えるきっかけになれば幸いです。

スタッフ紹介

山下航平(空き家活用プランナー)

二級建築士・宅地建物取引士。法政大学デザイン工学部建築学科を卒業後、大手住宅メーカーにてFCシステム運営コンサルティングや企画開発を歴任。2018年8月より株式会社ジェクトワンにおいて、空き家活用事業「アキサポ」、その他企画開発業務等に従事。